長良とっしの釣りブログ

渓流・本流ルアー。主に長良川水系でのサツキマス、アマゴ、イワナ釣行記。釣り方、タックル、ルアー、道具、ウェアについて自身の経験をもとに紹介。

初心者でも上手にできた本格的ニジマスの燻製方法を詳しく解説します。2023.11.18ソミュール液と塩オンリーの比較、スモークチップとスモークウッドの比較 など追記

2020.11.22記事投稿
2023.11.11スモークウッドを使った温燻方法追記(チップよりも温度管理が簡単だった)
2023.11.11ソミュール液を使った味付け方法を追記(意外に簡単だった)

数年前から憧れていた本格的なニジマスの燻製。
周りに経験者もいないので複数のネット記事を調べ、簡単に成功しそうな方法を抜粋して初挑戦しました。
シンプルな道具を使い簡単な味付けで本格的な燻製を作る方法で、初心者の私でも燻製を美味しく完成させることが出来ました。
この記事は初心者の私が燻製初挑戦前に「疑問に思っていた点や心配していた点」にスポットを当てた内容を心掛けましたので、これから挑戦する方の助けになれば幸いです。
初心者でも成功できるニジマスの燻製。概要は以下の通り
・「塩」or「ソミュール液」で味付け
・燻製方法は最も一般的な燻製温度50度~80度の温燻。
・屋外でスモーク。
・低価格のスモーカー使用。
・熱源には一般家庭用カセットコンロ。
・「スモークチップ」or「スモークウッド」での温燻方法
このようにシンプルな方法ですが、近所の方々が喜んでくれる味に仕上がりました。
早速ですが、ニジマスの燻製作りについて具体的な方法を紹介したいと思います。
燻製づくりに憧れを抱いているみ皆さんの、最初の一歩の手助けになれば幸いです。

スモークウッドを使用した燻製。

1. 美濃フィッシングエリアでニジマスゲット

2020年10月24日 土曜日 
7時~14時→美濃フィッシングエリアでの釣り記事

2. ニジマスを処理する

15時~美濃フィッシングエリア事務所付近の屋外キッチンでニジマスをさばきました。
水・ハサミ・ナイフ・まな板が自由に使えますし、「おススメの処理方法」が掲示されているので慣れていなくてもなんとか処理できます。
臭み防止などのため、絶命させたら内蔵やエラ・血合は早めに取り除くのが鉄則です。
できれば持ち帰る前に処理をします。
自宅で処理する場合はニジマスを生きたまま持ち帰るか、脳締めなどの方法で絶命させ冷やして持ち帰りましょう。
※2023年11月追記:金ダワシを使って鱗を取るとヌメリなども取れるので臭みの除去にも効果があると思われます。私は腹にナイフ(またはハサミ)を入れる前にウロコを取るようにしています。ヒレなどもこすっておくと塩抜きの工程でヒレのヌルヌルが少なくなるのでおススメです。
処理後は水気をきってビニール袋に入れクーラーボックスで持ち帰りました。

3. 味付け ソミュールor塩

3-1 ソミュール液で味付けする場合※この章は全文2023年11月追記

ここではソミュール液を使用する場合の味付け方法を紹介します。
ソミュール液は香草や香辛料で香りを付けるので洋風の仕上がりになります。
塩気と香りを強めにすればパスタやサラダのアクセントとして適した仕上がりになりますし、そのまま燻製だけで食べるのであれば塩も香りも弱めに仕上げた方が良いと思います。

香草類の香りについては「好きな人はホントに好き」ですが「苦手な人はホントに苦手」です。
ソミュール液で味付けした燻製の風味が苦手だった場合は、「この章のソミュール液レシピから香草を抜いた味付け」をするか「4.塩漬けで味付けの場合」を参考に、塩だけの味付けを試してみてください。
塩だけバージョンはお茶漬けにしても美味しいので、私は好きです。

3-1-1 ソミュール液レシピ

ソミュール液を作るうえで押さえておきたいポイントは塩分濃度です。
塩分濃度が5%以上ないと味が内部まで浸透しないので、わたしのレシピは塩分濃度が7~8%くらいになるようにしています。

今回紹介するレシピは香草の量に幅を持たせてあります。
香草は種類と量で風味に大きな影響を与えます。
香草の風味が強すぎると「燻製本来の良さであるの煙による香り」がぼやけてしまします。

まずは、少な目からスタートして「お好みに合わせて、又は使う用途に合わせて増やしていく」ことをおすすめします。

ソミュール液レシピ 約1リットル分
※1リットルはニジマス20㎝~25㎝、4~5匹分ですが使用する容器などによって増減が必要です。

1. 水・・・・・・・1リットル
2. 塩・・・・・・・70グラム
3. 砂糖・・・・・・10グラム
4. 料理酒・・・・・10ミリリットル
5. ニンニク・・・・1~2片スライス
6. 黒コショウ・・・1~2gミルで挽いて
7. ローリエ・・・・1枚~2枚
8. 一味・・・・・・少々
9. ローズマリー・・0.5~1.5グラム
10タイム・・・・・0.5~1.5グラム

ソミュール液の材料

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3-1-2 ソミュール液を作る

・水を入れた鍋に2~4を入れ、かき混ぜて溶かします。
・5ニンニクをスライスして鍋に入れます。
・6黒コショウをミルで挽いて鍋に入れます。
・7ローリエを葉っぱのまま鍋に入れます。
・8一味を適量入れます。
・9ローズマリーと10タイムを計量して鍋に入れます。
6黒コショウ、9ローズマリー、10タイムの計量は精密な秤を持っていないと計れません。
目分量で入れる場合は下写真のように、容器に残量確認用の目印を付けておくと目安になります。

容器に残量の目印を付けて投入量の目安にする

材料を全部鍋に入れたら強火で沸騰させます。
沸騰したら下写真のように弱めの中火にして7分ほど煮だします。
火を止めたら冷ましておきます。

ソミュール液を煮込む
3-1-3 ソミュール液に漬ける(3日間)

ソミュール液に漬けこむ期間は冷蔵庫で3日間です。
ジップロックなどの密閉袋にニジマスを入れたら、冷ましておいたソミュール液をそこへ入れます。
ニジマスの腹などに空気がたまらないようにニジマスを浸します。チャックを締めるときは密閉袋内の空気も抜くようにすると全体が漬かりやすくなります。

密閉したら冷蔵庫に入れますが、袋から液が漏れたりすると「冷蔵庫の中がエライ事」になりますので、バットなどを敷いてその上に密閉袋を置くようにしましょう。

写真左:ソミュール液に漬ける、写真右:塩漬け(食べ比べ用)
冷蔵庫で冷やしながら漬ける
3-1-4 流水で塩抜き(1時間~)

下写真のようにバットにニジマスを入れて流水でまずは1時間塩抜きします
水の通り道は塩が抜けやすいので、塩抜けの具合にバラツキが出ないように時々ニジマスを入れ替えると良いでしょう。

そのあと味見をして、濃ければ延長・良ければ終了します。

塩抜けのスピードは、バットがおおきいほど、流水量が多いほど早くなりますので、その辺にも注意しながら回を重ねるごとに調整してください。

水から取り出すときにニジマスに内臓などが残っていたり、体表にぬめりがある場合は水ですすぎながら手でコスリ取り除いてください。

上4匹はソミュール漬けしたもの、下1匹は塩漬けしたもの
3-1-5 味見

下写真の下から2匹目のニジマスのように腹身を少しだけハサミで切り取り、そのあとコンロなどで軽くあぶって食べてみます。
ここで「濃い!」と思う場合は、塩抜きの延長をおすすめします・・・・・
が、
味の濃さは、「そのまま食べるのか?」「サラダやパスタに混ぜるのか?」でも違ってきますし、個人の好みの差もありますので回数を重ねてご自分にあった濃さを見つけましょう。

腹身を一部分ハサミで切る
コンロなどで加熱して味見する
3-1-6 吊るして風乾(12時間~)

水から取り出したニジマスの水気をキッチンペーパーでふき取ります。
腹の中やエラの中も水気をふき取りましょう。

キッチンペーパーで腹側も背中側も表面の水気を取る

麻ひもや綿ひもを 口→エラ→背中の外側→エラ→口 の順に通して紐を結んで輪を作ります。

風乾は下写真のようにお風呂で換気扇を運転させて12時間以上を目安に行います。
換気扇を回すのは空気を循環させて乾燥を促進させるため匂いを外へ追い出すためです。
換気扇を回さないと けっこう匂います......。

終了の目安は皮表面がサラサラになり腹の身が半透明になっていれば間違いありません。
気温が高いと脂分がにじみやすくなりますが、脂分は雑味になりますのでティッシュなどでふき取りましょう。

風乾が充分でないと味が酸っぱくなる傾向がありますので注意しましょう。

換気扇を回してお風呂場で12時間以上を目途に風乾する

風乾が完了したらいよいよ燻製スタートです。
「5. 燻製に必要な道具たち」をご覧ください。

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3-2 塩だけで味付けする場合(漬3日間)

2023年11月:ここ「3-2塩漬けで味付けする場合」では塩だけで味付けする場合を紹介します。
香草や香辛料を入れないのでシンプルな味わいになります。

ソミュール液は香辛料と香草を入れるので洋風でクセのある風味に仕上がりますが、「そのクセが大好き」という人もいれば「その風味苦手」という人もいます。
香草の風味が苦手な人は、この章の塩漬けをするか「3-1ソミュール液で味付けの場合」のレシピから香草を抜いて味付けすることをおすすめします。

塩だけで味付けした燻製の味わいはシンプルですので、
薄味に仕上げればそのままお酒のおつまみに。
濃味に仕上げれば、晩酌後 締めのお茶漬けに使えます。(お茶漬けおすすめ)

3-2-1 塩をすり込む

※2023年11月追記:塩をすり込む方法は濃味に仕上がるため、お茶漬けに向いています。薄味に仕上げたい場合は「3. ソミュール液で味付けの場合」のレシピから香草や香辛料を抜く方法をおすすめします。
ニジマスをビニール袋から取り出し、もう一度水気をキッチンペーパーでふき取ります。
その後は、1匹ずつ丁寧に大量の塩をすり込んでいきます。
表面はもちろん、さばいた腹内部や頭部、ヒレにも大量にすり込みます。
すり込みが終わったら、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管します。
↓塩を振りかけて

↓そのあとすり込んで袋に入れます。

3-2-2身から出てくる水分の排出 1回目

※2023年11月追記:何回かやってみて、水分の排出をする場合としない場合で、自分には味の違いがわからなかったのでやらなくなりました。
2日後。出てきた水分を袋から捨てました。
大量の塩が水分を吸いだします。ニジマスの身から余分な水分がたくさん出てくるので排出します。
これにより臭みが取れて、身が締まります。
つまり、溜まる液は身が美味しくなっていってる証です。

3-2-3 身から出てくる水分の排出 2回目

※2023年11月追記:何回かやってみて、水分の排出をする場合としない場合で、自分には味の違いがわからなかったのでやらなくなりました。
さらに2日後。1回目と同様に出てきた水分を排出しました。

3-2-4 塩抜き(1時間~)

桶に貯めた5Lくらいのたっぷりの水で合計4時間、水変え1回で塩抜きしました。
正直、塩抜きの加減は全く分かりません。
完成品が塩辛ければ次回、時間を増やすなどの改良をしていきます。
ちなみに今回は少し塩辛かったので次回は合計4時間、水変え3回にしてみようと思います。
2023年11月追記:今は下写真のように少しの流水で塩抜きしてます。ソミュール液に比べて塩漬けは塩分が濃いので、下写真のやり方の場合ソミュール液の塩抜き1~2時間に対して2倍くらいの時間が必要です。

上4匹はソミュール漬けしたもの、下1匹は塩漬けしたもの

数の子みたいに味見ができれば良いのですが.....
2023年11月追記:味見方法→ハサミで腹の身を切り取って焼いて食べれば味見できます。塩気はそのまま食べたいなら薄めにします。お茶漬けやサラダのアクセントに使うなら多少濃いめで良いかと思いますが、こればっかりは好みになります

3-2-5 表面を水で洗い、水気をとる

ニジマスのウロコ表面に出てきたフニャフニャした白いものをしっかりと洗い落とします。
2023年11月追記:内臓を取る前に金ダワシを使ってウロコとヌメリを除去するようになってからは、ここで白いフニャフニャは以前ほど発生しなくなりました。
表面の水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。
お腹の内側や頭付近の内側もしっかり水気をとります。

3-2-6 紐(ひも)通し

まず先端付近に穴を開けた竹グシに麻ひもを通します。
下写真のようにエラ後部の硬い部分の少し後ろの身に竹串と麻ひもを通します。
背骨よりも下側、腹側を通せば大丈夫です。
この部分は丈夫なので、この後の風乾と燻製の途中でも身が崩れてニジマスが落下する心配はありません。
2023年11月追記:現在は紐を身に紐を通さずに、口→エラ→背中の後ろ側→エラ→口を通しています。これでニジマスが落下するなら身に紐を通す方法が良いでしょう
ひもは化学繊維ではなく麻や綿などを使います。
今回の燻製は温燻なので50度~80度で燻しますが、火加減を間違うと一時的に100度以上に上がったりもします。
2023年11月追記:スモークウッドを使った温燻では80℃を越えずに低温で燻せるようになりました。スモークウッドでの温勲方法は後に記載します。でも紐は麻や綿を使いましょう
高温で溶けたり、異臭を放つような素材はNGです。

3-2-7 吊るして風呂場で風乾(12時間~)

約12時間~20時間風乾させます。
腐らせずに身から余分な水分を抜くには、低気温・低湿度での風乾が適しています。
この日の気温は10度~17度位だったと思います。
下写真のように浴室で、窓を開け換気扇を回した状態で風乾させました。
換気扇を回すのは空気を循環させて乾燥を促進させるためと匂いを外へ追い出すためです

翌日朝7時にニジマスの表面の乾き具合を見ます。
濡れた感じはありませんでしたが引き続き干しておきました。
2023年11月追記:背中側がサラサラになっていれば燻製可能です。水分が多い場合は味が酸っぱくなる傾向がありますので、回を重ねて調整しましょう。

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5. 燻製に必要な道具たち

ニジマスの燻製作りは50~80℃の低温で燻す温燻という方法です。
比較的低い温度で3時間~6時間かけてゆっくり燻すの方法なので、余分な水分はしっかりと抜きつつ具材が固くなりにくいので、ニジマスなど魚の燻製には適した方法となります。

温燻に必要な道具は主に5つ
・スモーカーセット(皿、網、フックなど)
・温度計
・ガスコンロ
・金属製のケーキ型(スモークウッドでの正確な温度調整に必要)
・風よけ
燻製のためだけに新規購入したのは「スモーカーと温度計」の2つだけです。

燻製に必要な道具たち

5-1 スモーカー

1つ目はもっとも大事なアイテム。
スモーカーです。
わたしは「ホンマ製作所のスモーカーF-240」を選びました。
選んだポイントは 背が41センチと高い&底板がある からです。
送料込みで4,000円(2020年11月)くらいで手に入りました。※2023年11月追記:現在は定価が6,600円(税込)になってるみたいです。

一斗缶をDIYする方法も一度は検討しましたが、錆びやすいこと、材料費が全部で安くても2,000円近くかかること、ニジマスを燻製するには高さが35センチと低いため候補から外しました。

また、底板の無いものが安価で販売されているので注意が必要です。
底板がないと燻製中に垂れる魚の油や汁が熱源(ガス式コンロや電気コンロ)に落ちてしまいます。底板のないものは風が下から上へと抜けやすいので煙も抜けやすくじっくり燻すのが困難です。

わたしが購入した「ホンマ製作所のスモーカーF-240」は直径が約24㎝。
背が約41㎝と高めなので、30㎝くらいのニジマスなら丸々吊るせます。

ホンマ製作所 F-240

真ん中で分割できるようになっており、収納時は上写真のように背を低くしてコンパクトに収納できます。

付属品は 「網2枚、網取付金具8個(網2枚分)、フック3個、金属皿1枚」です。

網は上写真の矢印3段階の高さから選んで設置。
ニジマスを燻すときは1番上の網にフックを掛けて吊るします。

卵やチーズなどを燻す場合は網の上に具材を乗せて燻します。

高さがあるので、ニジマスの燻製に適したスモーカーなのでおすすめです。
現在のモデルは赤いシールが無くなっているようですが、↓わたしが使用しているものと同じ仕様の製品ですが価格にバラツキがあります。各通販サイトで価格を比較してみてください↓

5-2 燻製用温度計

これがないと温度管理が出来ませんので絶対必要です。
高価なスモーカーだと本体に付属していたりもしますが、温度計はそんなに高価ではありませんので本体に付属していない場合は必ず購入しましょう。
2020年11月は1000円以下で買えてました。
↓価格にバラツキがあります。各通販サイトで価格を比較してみてください↓

5-3カセットコンロと風よけ

カセットコンロは3.3kwと表示のある鍋などに使うものを使用しています。
燻製は外でやるので、風に強いキャンプ用のほうが心強いかも知れません。
が、天ぷら用アルミパネルを風よけとして設置してやれば問題ありませんので、わざわざ風に強いコンロを買ったりする必要はないと思います。
↓ほんとは欲しい!風に強い屋外向けカセットコンロ↓

5-4 スモークウッド※2023年11月追記

わたしは当初スモークチップを使用していましたが、途中からスモークウッドを使用するようになりました。
理由は低温50~80℃での温度管理がしやすく香り良く仕上がるからです。

スモークウッドは熱源がなくても燃焼を続け煙を出してくれます。
そのためガスコンロの火はスモーカー内の温度調整のためだけに使用するので温度管理がしやすいのです。
弱火でも温度が上がり過ぎて80℃を越えてしまう場合は、下写真のようにケーキの型などの金属製の短い筒を間に置き(敷き)、スモーカーと火の距離をとってあげます。
このように遠火にしてあげれるとスモーカー内の温度調整が簡単楽々になります。

底の取れるケーキの型で火の距離を遠ざける

スモークウッドはホームセンターかキャンプ用品店で手に入ります。
いろいろな種類がありますが、わたしはヒッコリーでやり続けています。

あと50~80℃での温度管理を容易にするために使用する底の取れる金属製ケーキの型はホームセンターで1500円以内で買えますが、わたしはダイソーにて直径18㎝のものを550円で購入しました。
↓ホームセンターやキャンプ用品店が近所にない方は、どちらも通販で手軽に入手できますのでチェックしてみてください↓

また、温度が上がり過ぎると別の食材で困ったことが起こります。柔らかめに仕上げたはずの卵の黄身が固まったり、チーズが解けて崩れてしまうので60℃~70℃くらいで温度管理するように気を付けましょう。

さいごに、スモークチップよりもスモークウッドの方がおすすめな理由として単純に香りの良さが挙げられます。エグミが少なく甘い香りがしますので、出来上がった燻製の香りが良好に仕上がります。

5-5 スモークチップ

2023年11月追記:スモークチップとカセットコンロを使った温燻は初心者の頃にやっていましたが、現在は温度管理がしやすく燻製の仕上がりも美しいスモークウッドを使った方法で燻製作りをしています。

〇スモークチップを使わなくなった理由はについて
スモーカー内を50~80℃の低温に保つ温燻において、スモークチップを使った方法ではスモーカー内の温度が上がりやすい傾向があります。
なぜならスモークチップは下写真のようにコンロやヒーターで鉄板越しに熱を与え続けないと燃焼が継続できないからです。
スモーカー内が80℃を超えるとニジマスからにじみ出る脂が増え、それらの脂が底板に落ちると熱されて嫌な臭いを出します。
これらが香りや美味しさの邪魔をするのは間違いありませんので、50~80℃での低温温度管理にはスモークウッドの使用をおすすめします。
スモークウッドを使った温燻方法は「6-1スモークウッドで燻製開始」をご覧ください。

スモーカー購入時にサクラチップが110g付属されていましたが、今回はヒッコリーのみで挑戦しました。
まずはオールマイティに使えて、一般的に魚にはおススメとされるヒッコリーを使いました。
なぜヒッコリーのみ使用にこだわるかというと、一度に燻すチップの量によっても風味が変わるようなので、当面はヒッコリーだけで味を極めたいと考えているからです。
ちなみに初回は4時間いぶすのに約250g使用しました。
スモークチップの使用量についてスモーカーの取説には、「熱源温度にもよりますが1回20g~30gで約30分発煙します。※チップの量が多いと酸味が強くなります」という感じの解説が載ってました。
こちらも500g1000円以下で手に入ります。

6. 燻製する! ウッドorチップ

ニジマスに適した燻製方法は燻製温度50~80度の温燻です。
温燻は比較的低い温度で3時間~6時間かけてゆっくり燻すの方法なので、余分な水分はしっかりと抜きつつ具材が固くなりにくい方法なので、ニジマスなど魚の燻製には適しています。

燻す木材にはチップとウッドがありますが、温燻に適しているのはスモークウッドです。

スモークチップとスモークウッド

チップはある程度の熱を加え続けなければ鎮火してしまうので熱源が常に必要です。そのためスモーカー内の温度は上がりやすく80℃以上の熱燻には適していますが50~80℃の温燻には向いていません。

ウッドは細かくした木材を修正した塊で、火を付ければ熱源がなくても燃え続けてくれます。ウッドの熱だけではスモーカー内の温度はせいぜい35~50℃くらいまでしか上がらないので、スモーカーに適度な熱を加えてあげる必要がありますが、その方法は比較的簡単です。
カセットコンロや電気コンロの上にスモーカーを置き、超弱火で熱を加えます。
超弱火でも熱が上がり過ぎる場合は、下写真のように「底の抜けるケーキの型」などを使ってスモーカーと熱源に適当な距離を取ってあげると温度管理が簡単です。

わたしは初心者の頃チップを使っていましたが、この方法を考え出してからはウッドを使うようになりました。

温燻にはウッドを使った方法をおすすめしますが、チップを使った方法も紹介していますので、どちらも参考にしてみてください。

↓全体像はこんな感じです↓

燻製(温燻)の全体像

6-1 スモークウッドで温燻する※2023年11月追記

わたしは当初スモークチップを使用していましたが、途中からスモークウッドを使用するようになりました。
理由は低温50~80℃での温度管理がしやすく香り良く仕上がるからです。
ウッドを使った温燻方法をおすすめします。

6-1-1 まずは新品のスモーカーを中火で空焚き

新品のスモーカーを使用する場合はスモーカーの取説通りに嫌な臭いがなくなるまで空焚きします。

6-1-2 次にウッド無しで温度調整の練習

まずはスモークウッドなしでスモーカー内の温度を一定に保つ練習をします。
使用するカセットコンロの火力・スモーカーの大きさ・構造・その日の気温によって適当な火加減が変化しますので、練習はやっておくことをおすすめします。

スモークウッドを燃焼させるとスモーカー内の温度が+20~30℃上昇しますので、まずはウッド無しでスモーカー内を40~50℃に保つ練習をしましょう。
基本的には火力と蓋の開閉器を調整して温度を調整します。

この時、コンロを一番弱い火力にしてもスモーカー内が50℃を越えてしまうようでしたら、下写真のように「底の抜けるケーキの型」などを使ってスモーカーの底面と火に適度な距離を取ることをおすすめします。

カセットコンロの点火と消火を繰り返す方法は面倒なのでおすすめできません。

金属製の筒を設置してスモーカーと火の距離を遠くする
6-1-3 温燻開始 約4時間

まずは下写真のようにウッドに着火します。
バーナーがない場合は、ライターかカセットコンロの火を使いましょう。
少なくともスモークウッドの端一面が真っ黒になるまでは火を当てください。
着火が不十分だと完全鎮火してしまうこともあるのでしばらくは煙が出続けているか目視確認するようにしましょう。

スモークウッドに着火

スモークウッドへの着火が完了したら、下写真のようにお皿の上に乗せた網の上にスモークウッドを置きます。
網の上に置くことで鎮火を防ぎます。
スモークウッドの正常な燃焼状態は不完全燃焼の状態です。
下写真のように炎を上げず表面が部分的にほんのり赤くなっている状態で煙が出ていれば大丈夫です。

スモークウッドをセットする

ニジマスをスモーカー内に吊るしたら、
ガスコンロを点火して先ほどの練習通りにスモーカー内を約70度にします。

スモーカー内を50~80℃に保ち燻製する

下写真は発煙 数分後の安定して煙を出している状態の写真です。

ニジマスの燻製中

わたしは約4時間燻します。
わたしが使っているスモークウッドは約80g×3ブロックになっています。
1ブロック80gでだいたい1時間半くらい燻せるので、2~3ブロックあれば4時間燻せます。
ウッドが小さくなってきて煙が出なくなったら、新しいウッドに着火して燻製を続けましょう。

6-1-5 ニジマスの燻製完了

ウッドを使うようになってから、仕上がりに関してヤニ少な目で薄くて美しい色に仕上がるようになりました。

味に関してもウッドを使用した方が、酸味が弱く香りも上品に仕上がります。

燻製はすぐに食べるよりも数時間寝かしたほうが風味も味も良くなります。
後述の「8.数時間寝かします」をご覧ください。

下にチップの場合とウッドの場合の写真を載せますので見比べてください。

スモークウッドで燻した場合、ヤニ少な目 色薄めで仕上がった。私のおすすめ
スモークチップで燻した場合、ヤニ多め色濃いめに仕上がった。チップでの温燻はおすすめできない

6-2 スモークチップで温燻する

2023年11月追記:スモークチップとカセットコンロを使った温燻は初心者の頃にやっていましたが、現在は温度管理がしやすく燻製の仕上がりも美しいスモークウッドを使った方法で燻製作りをしています。

スモークチップは鉄板越しに加熱しないと燃焼が継続できません。
そのため、カセットコンロでスモーカーを常に下から加熱するのでスモーカー内の温度は常に上昇しようとします。
そのため、スモークチップを使う方法でスモーカー内を50~80度に保つのは、「やれないことはないけど難しい」が私の結論です。
スモーカー内が80℃を超えるとニジマスからにじみ出る脂が増え、それらの脂が底板に落ちると熱されて嫌な臭いを出します。
これらが香りや美味しさの邪魔をするのは間違いありませんので、50~80℃での低温温度管理にはスモークウッドの使用をおすすめします。スモークウッドを使用した方法のほうがスモーカー内の温度を調整しやすいので、「6-1スモークウッドで燻製する」をご覧ください。

6-2-1 まずは新品のスモーカーを中火で空焚き

スモーカーの取説通りに嫌な臭いがなくなるまで空焚きします。

6-2-2 次にウッドやチップ無しで温度調整の練習

まずはスモーカー内の温度を約70度に保つ練習をします。
使用するカセットコンロの火力・スモーカーの大きさ・構造によって適当な火加減がありますので、それを練習します。

今回私は3.3KWKWのカセットコンロを使用しました。
スモーカー内を70度に保つには超とろ火で蓋の開閉器を微調整するのと、時々蓋をずらして熱放出する感じでした。

火加減は天候や、使用するカセットコンロの出力やスモーカーの底板の厚さとかで要領が変わってきますので多少の試行錯誤が必要です。

6-2-3 温燻開始 約4時間

まずニジマスをスモーカー内に吊るします。
ガスコンロに着火したら先ほどの練習通りにスモーカー内を約70度にします。
スモーカーの底面にダイレクトにチップを敷いて発煙を待ちますが、煙が出始めない場合は少し火力を強めてください。
煙が出始めたら、70度に保つ火力に戻します。
一度煙が出始めたら、コンロの火を消さない限り煙が出続けます。
取説通りに1回に付き20~30gのチップを入れ発煙させると20~30分は煙が出続けます。
煙が出なくなったら黒い燃えカスを皿に取り排出し、新しいチップを底板に敷きます。
チップの入れ替えには大さじ計量スプーンを使用しました。

この繰り返しです。

下写真は発煙 数分後の安定して煙を出している状態の写真です。
そのさらに下の写真は同じタイミングで蓋を開けて上から覗いた写真です。

6-2-4 付属のチップ用皿は使いませんでした。

基本的には取説通りに燻製を進めましたが、1点だけ取説通りにやって上手に出来ませんでした。
スモーカーの取説では「チップを20~30g皿に入れて皿ごとスモーカーへ入れる」とありますが、
その方法で発煙させるには、相当な強火にする必要がありました。
皿に入れるとチップへの熱の伝わりが悪くなるためです。
強火にすると発煙しますが、その後スモーカー内を70度にするために弱火にすると煙が消えてしますのです。
ですので、皿を使わずにスモーカーの底面に直接チップを乗せてみたわけです。
そうしたらうまくいきました。
使用するコンロ、スモーカーによって時には工夫が必要だったようです。
下写真は付属の皿。燃えカス入れとして使用しました。

6-2-5 ニジマスの燻製完了

予想以上の美しい仕上がりとなりました。
2023年11月追記:チップを使うと煙多め&温度も高めで燻すためかヤニ多めで濃い色に仕上がります。ウッドを使った場合はヤニ少な目で薄い色に仕上がりになります。私はウッドをおすすめします。
下にチップの場合とウッドの場合の写真を載せますので見比べてください。

スモークチップで燻した場合、ヤニ多め色濃いめに仕上がった
スモークウッドで燻した場合、ヤニ少な目 色薄めで仕上がった。私のおすすめ

7. ついでに色んなものも燻製してみたよ

美味しかった順に紹介します。
・プロセスチーズ...1時間(燻製時、底面のアルミは剥がさないように!美味かった)
・1晩めんつゆに漬けたゆで卵...2時間(美味かった)
・シャウエッセンウィンナー...1時間(食べる前にトースターなどで軽く温めると○)
・厚切りベーコン...1時間

8. 薫製後 数時間寝かせる

すぐに食べるよりも、冷まして数時間寝かせた方が風味が良くなります。
5種類ともすぐに食べてみましたが、すこし時間を置いた方が美味しかったように思います。
ニジマスは下写真のようにスモーカー内に吊るしたまま一晩寝かせています。

選択竿にスモーカーを吊るして一晩燻製を寝かせる

9. 燻製を食べる

ニジマスは皮を剥いで、身をほぐして頂きました。

ニジマスの燻製の皮は簡単に剥がれます

そのほかは、そのまま頂きました。
ニジマス以外は「サクラチップの方が良いのでは?」とご意見いただきました。

チップを使っていたころは全体的に酸味強めでしたがウッドを使うようになってから酸味を感じににくくなりました。

酸味は具材の水分が多いほど強くなるので、そっちの影響もあるかも知れません。
次回は1回当たりのチップの量を少し減らした方が良いかもしれません。

そのままでも美味しかったのですが、今回の作品は少し塩が濃かったのでお茶漬けに入れるのが最高に美味しかったです。
市販の鮭茶漬けや海苔茶漬けにトッピングすると美味しいです。

塩オンリーで味付けした燻製は茶漬けに最適

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10. 燻製を安全に楽しむための注意点

燻製はバーベキュー同様に火事などの危険も伴いますし思わぬトラブルの可能性もありますので、そのあたりは充分注意し自己責任でのチャレンジをお願いいたします。

10-1 食中毒に注意

自家製の保存食になりますので食中毒には注意しましょう。
生の状態でニジマスを取り扱う時は手や調理器具を清潔にするのと、身の温度が高くならないようにしましょう。
今回紹介した方法の場合、ニジマスの燻製を冷蔵庫で1週間保存後に食べても食中毒などはありませんでしたが、気温などの条件次第では同じ調理時間でも菌の増殖には差がでますので、充分注意して自己責任での調理をお願いします。

10-2 使用済みチップからの火災に注意

煙を出し終え黒くなったチップも高温です。また鎮火しているように見えても内部が燃えている事もあります。
燃えカスは金属の容器にいれて温度が芯まで完全に下がってから処分しましょう。

10-3 カセットコンロのガス漏れに注意

一般の室内用カセットコンロは火が消えやすいので、風で火が消えないようにアルミなどで囲いをましょう。
火が消えるとガス漏れの状態になります。

10-4 カセットコンロとセットしたガスボンベ付近が高温にならないように注意

コンロのすぐ近くに風よけを設置する場合は、カセットコンロとボンベが高温にならないようにしましょう。

10-5 火を使いますので目を離さないようにしましょう。

基本的に火を使った調理となりますので目を離さないようにすることが安全への最低条件だと思います。

10-6 煙と匂いが漂いますので住宅地の場合は近所の方への配慮が必要です。

特に初挑戦の場合は、火加減を間違えて煙が出過ぎたりしますので近所への気遣いもお忘れなく。
雨の日や気温が低くて寒い日は、窓を開ける家庭が少ないのでそういう日を狙ったり、
近所の方とお付き合いがある場合は顔を合わせた時に「燻製をやってますので煙や匂いが気になったら、すみませんが窓閉めてください」などの声掛けをするのも良いとおもいます。

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11 燻製アイテム一覧

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